公開している劇場が少ない「チルド」を観てきました!ネタバレあり

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映画『チルド』鑑賞レビュー:人間のダークな部分が暴走する、身の毛もよだつ恐怖

こんにちは、たぬぽんだよ! 今回は、人間のダークな部分が容赦なくクローズアップされる映画『チルド』を観てきたので、その感想を語っていきたいと思う。

物語の主人公は、染谷将太さんが演じるコンビニの店員・堺(さかい)。彼を軸に、日常のすぐ隣にある「狂気」が静かに、そしてグロテスクに描き出されていくんだ。

身の回りに潜む、ゾッとする人間模様

この映画、とにかく登場人物たちの行動や心理描写が生々しくて、見ているだけで胃がキュッとなる。

  • マッチングアプリの女性  染谷さん演じる堺がアプリで出会った女性は、カフェで飼い猫の話を楽しそうにする。しかし、その猫はすでに死んでいて、悲しむ素振りすらない。それどころか、すぐに次の猫を飼っているという違和感…。最初から不穏な空気が漂っている。
  • 余裕のない店長  仕事のミスで余裕なく怒鳴る店長。バイトの送別会で「店長、給料少ないっすもんね」と言われたときには、真剣な顔で沈黙する。冗談が全く通じず、今の自分の状況に不満と切羽詰まりを抱えていた彼は、やがて亡くなってしまう……。
  • 隣のキッシュ屋の悲劇  コンビニの近くにできたキッシュ屋は、オープン当初は行列ができるほど人気で、コンビニに卵を買い足しにくるほどだった。しかし中盤には客足が途絶え、ガラガラに。やつれ果てた店長がサラダチキンを買いに来る。令和ロマン・くるまさん演じる店員が悪ノリで「記念写真を撮ろう」と声をかける。いざシャッターを切る瞬間、キッシュ屋の店長が上から飛び降り、巻き添えで店員も命を落としてしまうという衝撃の展開が描かれる。

オーナーの狂気と、崩壊する日常

そして終盤、西村まさ彦さん演じるオーナーのダークサイドが完全に爆発する。

パートの女性が廃棄の商品を持ち帰っているのを知るや否や、即刻クビにしたうえで代金を請求するという人間味ゼロの行動。さらに、シフトに入ってくれている男性店員の「またのご利用お待ちしております」という挨拶が気に食わず、「またお越しくださいませ」が正しいと、家の中でもずっとブツブツ呟き続ける。

ついにオーナーの狂気は暴走し、

  • エリアマネージャーの顔をフライヤーに突っ込む
  • 正しい挨拶をしなかった店員に、焼き鳥の串を耳の穴に突き刺す
  • 黙って焼き鳥のポップを貼った女性店員を、木の棒を持って追いかけ回す

という凄惨な事件を引き起こしてしまう。

店長の研修を終え、夢を膨らませて自分の店舗に帰ってきた染谷くんを待っていたのは、父親であるオーナーが引き起こした血まみれの惨劇だった。 最後、オーナーは「あとは、まかせたぞ」と言い残して自殺。絶望した染谷くんは、自分の店舗を閉じ、別のコンビニでさらに死んだような顔をして働き続ける――。そのあまりにも救いのないシーンで、映画は幕を閉じる。

たぬぽんの観方

この映画は、人間のダークサイドを極限まで誇張しつつ、私たちが日頃感じる「嫌な部分」をリアルに突きつけてくる作品だと感じた。

特に印象的だったのは、深夜のファミレスのシーン。注文を間違えた店員に対して、店員が「作り直します」というが、「もう、これでいい」と、相手にマウントをとるような態度。もう一度作り直させることすらせず、人を侮辱するような、現実社会の片隅に転がっている生々しいダークサイド。

そうした小さな歪みが、いつの間にか狂気に変わり、制御不能になって暴走していく姿が描かれているんだ。

突っ込みを入れたくなるシーンは山ほどあるけれど、「あ、こういう人いるよね」「ちょっと嫌な感じの空気感だな」と、妙なリアリティや共感を覚えてしまうのも事実。

人間の闇にどっぷりと浸かれる、強烈な体験を味わいたい人はぜひご覧あれ! それじゃあ、たぬぽんでした。

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