本日、9月9日(土)に「福田村事件」を観てきました!
残暑の中、多くの観客がシアターに集まっていました。
あらすじ
時代は、関東大震災の前後の利根川付近にある現在の千葉県野田市に昔あった福田村が舞台です。
ストーリーは1923年9月1日の関東大震災以前のところから始まります。1922年まで行われていたシベリア出兵に出兵していた夫が、遺骨となりもどってきた女房が電車に乗っています。その向かいに座っている夫婦、井浦新と田中麗奈が話をしています。「いい戦争なんてない。」井浦新が何かを思い出しながらつぶやきます。
そして福田村に返ってきた夫婦。村のある屋敷で、戦争に向けての決起集会なるものが行われていました。そこで「日本のために命をささげてもいい」と叫ぶ若者がいます。その若者に対して、拍手と歓声が沸いていました。当時の国のためなら何でもするというような、少し怖い集団心理が描かれています。
もし、自分がその時代に生きていれば、その集団の一人として、大きな声をあげていたかもしれませんね。しかし、その中にも「生きて帰ってくることだ」や「意味がない」と大多数の意見に異議を唱える人たちがいることは勇気があることだなと感心してしまいますね。
しかし、大多数の意見は、そのような意見はありえない。日本のために外敵を打つべきだ。熱狂的です。
そして、ある日、福田村に讃岐からの行商人がやってきます。行商人たちは自分たちは「穢多」身分であるが、それを受け入れたうえで強く明るく生きていこうとしていました。1922年には全国水平社宣言があり、平等を訴える動きが活発化していました。
行商人は夫婦の所へも薬を売りに来ました。田中麗奈は「湯の花」を購入します。
夫婦が関係を持てていなく、田中麗奈が家を出ていき、出ていく途中、川を渡る船頭を自ら誘い関係をもちます。
そんな所で、関東大震災が起こります!!
船の上で、地震がおさまるまで待ち、その場面を井浦新と船頭と恋仲にある女性が見ていたのですね。田中麗奈は行く当てもなく、家に帰ってきます。井浦新が「湯の花」で風呂に入ろうと優しく迎えます。
そして、お風呂のシーンで結局、井浦新は、田中麗奈に何か思いを伝えることができないのですね。いやいや、井浦、君が何を考えてるか分らんよ。言葉で伝えてよと、田中麗奈とともに、シアターにいる誰もが思っていたでしょう。
そして、関東大震災の翌日からは、大変です。町にはデマが溢れかえっており、朝鮮人がこの機会に日本人を襲う。や毒を井戸に投げ込む。など大きな騒ぎとなっていました。
時代は、熱狂的な愛国心の軍国主義ですから、朝鮮人を殺してもいい。殺してやる。というような殺気立った雰囲気に包まれていました。
そして、国の中央から、自警団をつくり、自衛するべしと電報が届き、村は竹やりをもった村人。さらに東京に行っていた夫が朝鮮人に殺されたと勝手に妄想した女性まで出てきたのです。
映画はクライマックスに向かっていきます。行商人が利根川を渡ろうとします。妊婦さんも集団のなかにおり、赤ん坊の名前も希望の「望」と決めていました。
船頭(東出昌大)に交渉に行く行商人親方(永山瑛太)は、船頭と料金を巡って口論になります。そこに駆け付けた一人の男が、お前ら「朝鮮人か?」と疑いをかけます。なんでも、朝鮮人といって騒ぎ立てる風潮、そしてその男が、村の鐘を激しく叩き、村人がその場所に大勢集まってきます。竹やりをもって。
行商人たちは、朝鮮人ではありません。証拠の証書もあります。その証書の確認の間に、村人たちは大きな声で叫び、「朝鮮人だ!」と叫び、決めつけます。それが集団なのです。ちょっと、触っただけで、暴行が始まってしまいそうな雰囲気です。
いやいやちがうよ。ちょっと待とうよ。映画を見ている人々はそう思っています。全然気持ちを言わない井浦でさえも、「この人たちは日本人です!」と叫びます。なぜ止まらないのか?このヤバい集団心理はなんだ?もう恐怖です。
「もし日本人だったら、日本人を殺すことになるんだぞ!」という言葉。そして親方「朝鮮人なら、殺してもいいんか!?」と大集団に対して、大きく異議を唱える発言。そこへ・・・・夫が死んだと思い込んでいる女性、三角鋤で親方の頭を一撃。親方は倒れます。
駆け寄る奥さん、その奥さんへ、鐘をならした男が竹やりで一撃。集まる子どもたち、みんなの前で息巻いた若者が刀で二人を切り殺します。
村人たちは止まりません。「一人残らず殺せ」と息巻く、村人たち。そこへやっと、この人たちは「朝鮮人じゃない」と連絡が届きます。福田村の人々はなんだったのか・・・・しかし、この集団心理はどこの人々のなかでも起こりうるのではとも思います。
まとめ
「福田村事件」関東大震災の時に、このような事件があったとは・・・まだ世に広く知れ渡っていない事件がありますね。この映画を観ることができよかったです。
シアターは、年配の方が多かったですね。とても。やはり若者は見ないよな・・・・多くの日本人にこのような時代があり、いまがある。
そして過去の過ちを本当に繰り返してはいけないと広く伝わってほしいと思った。たぬぽんでした。
是非ご覧ください。
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